マグネシウムは必須ミネラルの一つとして広く知られながら、体内でのバランス調節の仕組みは未解明の部分が多い。私はがん転移の研究からマグネシウム制御に関わる蛋白質を発見し、がん転移とマグネシウムの意外な関連が浮かび上がってきたが、そのメカニズムについては明らかになっていない。
がん転移との関連で発見したマグネシウム制御蛋白質に関して、分子構造、細胞での機能、線虫やマウスなど生物個体レベルでの機能について解析し、マグネシウム吸収や排出の仕組みを明らかにする。また、その適切な制御の破綻ががん転移に寄与する仕組みを明らかにする。
必須ミネラルとして知られながらも大きく研究が遅れていたマグネシウムが、細胞増殖の制御など予想外の役割を担うことをつきとめ、その正常な制御の破綻ががん転移などの重要疾患に関わることを世界で初めて明らかにする、これまでに類を見ないユニークな研究である。
がん転移におけるマグネシウム制御蛋白質の働きを解明することで、日本人の死因の第一位を占め続けているがんの転移を防ぐ薬の開発などへの貢献が期待できる。また、マグネシウムのバランス調節異常により起こる神経・血管系疾患の原因究明などへの貢献も期待できる。
20110523